美容専門学校についての知っておきたい基礎知識

ピンクの紙の穴から覗く女性の唇と鼻

美容師になりたい人は美容専門学校に関心があると思います。美容に関わるお仕事をするために専門的な事柄を学ぶ学校で2年間のカリキュラムが組まれている場合が多いです。美容専門学校(美容学校)で学ぶことは基礎・基本の知識で実践的なものは、別にマスターしていかなければなりません。国家試験を受けるための予備校的な要素も強いです。この記事では美容専門学校についての知っておきたい基礎知識について詳しく解説します。

美容専門学校で学べることとは?

沢山のメイクアップブラシ

美容師として働くために必要な資格は美容師の国家試験に合格して取得できる「美容師免許」です。管轄する厚生労働省では美容師試験を受けるための学習時間が規定されています。美容師免許を取得するには、「学科試験」と「実技試験」の両方に合格しなければなりません。美容師専門学校では「学科」と「実技」の授業をしています。

主に学べることは美容師国家試験に合格するための必要な学科試験の科目の内容と実地試験の技術的なことです。これ以外に美容に関係するテクニックやノウハウについて勉強します。

授業の科目は一般的に次のようなものです。
  • 関係法規
  • 衛生管理
  • 保健
  • 物理化学
  • 美容文化論
  • 経営管理
  • 労務管理
  • 接客
  • マーケティング
実習の授業で学ぶことは次のような内容です。
  • カットの技術
  • パーネメントやウェーブの時のワインディング
  • ローラーカール
  • ローションを使ったセッティング

美容師になるには美容業に必要な学科を勉強しなければなりません

机の上で勉強する女性

美容専門学校の学科の授業で教えてくれる科目は国家試験の科目です。これは、学校を卒業して社会に出て美容師として働く場合の最低限度の知識です。法律の知識・物理化学の知識・薬剤の知識・運営や管理に関する知識・機器の目的や種類とその使用方法など多岐にわたります。

  • 関係法規
    美容に関係する法律や制度
  • 衛生管理
    公衆衛生・感染症の知識や消毒方法
  • 保健
    身体の構成・皮膚や髪の毛の知識
  • 物理化学
    カラーやパーマをする場合の薬剤の使い方や知識
  • 美容文化論
    美容の歴史や存在意義・ヘアーやファッション
  • 美容技術論
    テクニック・道具の使い方を理論付けて学びます
  • 経営管理・労務管理
    店舗経営・運営をするために必要な実務管理の方法

美容専門学校で学ぶ美容実習の内容とは?

ブラシに乗せた化粧品

実習は国家試験の中の実地試験に関する内容がメインになります。それ以外にも実際の店舗でされている「デザインカット」「デザインパーマ」「カラーリング」などの基礎です。これらを実習しながらマスターしてゆきます。美容専門学校の中には、さらに実践的な「シャンプー」「マッサージ」「ヘッドスパ」を導入しているところもあります。

美容専門学校で勉強することは基本中の基本部分です。国家試験の内容を中心にして、美容に関係する知識やテクニックを勉強してゆきます。実際に美容専門学校で学習できるのは基礎的なことだけ。そういった意味では、即戦力になる美容師として働くには、学校で学んでいるだけでは不十分です。

美容専門学校で学べないこととは?

カラフルなメイクアップブラシ

本当に必要な美容師のスキルは美容専門学校では学べません。店舗や美容サロンで実際にお客さまと接して技術を行うことは、さすがに学校でも無理があります。テクニック・技術は美容専門学校の実技の授業で教えてもらい、練習はできます。しかし、実際に働き出して何の訓練もしないで施術することはできません。

その店舗の先生や先輩の仕事ぶりを見ながら盗み取って勉強するのです。少しずつ覚えていってお客さまへの施術をマスターしていく経験が必要です。美容専門学校で技術を教えてもらって練習したから即戦力にはなりません。その技術を生かすトレーニング・訓練が不可欠なのです。

美容師にとって一番大切な「接客スキル」は美容専門学校では学べません。これだけは実践を通じて学ばなければなりません。お客さまの髪の毛やお肌に触れて美容師は施術をしてゆきます。必要な接客方法やテクニックは経験を重ね、実践の中でマスターしていくのです。

ひと昔前は、美容師は師匠の下で何年も仕事を死ながら技術を習って覚えていったのです。今の世の中では、そこまで職人気質はなくなっています。ですが、まったくないことはありません。なぜならば美容師は技術職なので、技術を覚えることは短期間にはできません。仕事をしながら、じっくりと時間をかけて、一回でも多くお客さまの髪の毛にアプローチして満足いただける仕事が何なのかを覚えてゆきます。

コミュニケーションスキルは美容専門学校では学べません。またコミュニケーションスキルも「これだ!」とはっきりしたものがありません。一人ひとりのお客さまに対して、接し方はさまざまです。美容師の仕事をしていくと、想定外なことも多々あります。その都度、ケースバイケースで対処しなければなりません。施術をしながらいろいろな体験をして経験値を増やすのが大切です。

仲間と差をつけるためには、高度な技術やさまざまなスキルを習得するように頑張りましょう。美容専門学校で学習できることは、あくまでも国家試験対策の基礎的なことにすぎません。資格取得しても、すぐにカット・パーマ・カラーリングするような施術をしてお金を頂くわけではないのです。

最近はより実践的な能力をみにつけさせようとする美容専門学校も増えています。専門的な技術や知識を詳しく教えてくれるカリキュラムを導入しているところもあります。例えば「ネイル」「メイク」「エステ」着付け」などです。

それでも、その学習効果だけで店舗で即戦力としては働けません。かなりの時間の訓練期間があります。そんな下積みを経験して、やがて大丈夫だと判断されたらお客さまへ施術することが許されます。美容専門学校では美容にまつわる基礎的な技術や知識を勉強できます。それは、あくまでも基礎知識でマニュアルだと考えてください。その後、店舗やサロンで仕事をしながら、実践的テクニック・ノウハウ・技術など必要なことを学ばなければなりません。

美容専門学校の種類とは?

マニュキュアを塗る女性の手

美容師の仕事は男性も女性も憧れを持っています。将来、美容関係の仕事をしたい場合は美容専門学校に進学することが不可欠です。美容の世界は幅広いです。職種によっては美容専門学校を卒業する必要がないジャンルもあります。しかし、美容に関するどういった道に進むにしても美容専門学校で学ぶ知識はとっても大切になります。

美容専門学校の種類といつ頃から始めるといいのか?

昭和の高度成長期などは中学校を卒業して、すぐに美容師になるために働き始める人もいましたが、今はそんな風潮は少なくなりました。

最近の美容専門学校の中には高校卒業をしないと入学できない学校もあります。中には、「美容師免許」と「高校卒業」の両方の資格取得ができる美容専門学校もあります。こういったところならば、中学を卒業したあと美容師を目指すと同時に高校へ行けるのです。

美容専門学校に入学せずに通信教育で美容師を目指すこともできます。高校や大学に通学しながらや社会人になってから仕事をしつつ美容師の夢を追いかけることもできるのです。進路の選択肢はとっても多くなっています。

美容師になりたいと小学校から夢を持っている人もいます。実際に美容師を目指すことを決意するのは高校生の頃になるでしょう。高校卒業のタイミングで美容専門学校に進学するのが一番多いです。実際に美容師を目指すならば年齢に関係はありません。

他の仕事で就職したあと、美容の仕事に目覚める人もいます。自分の天職は美容師だと決意して転職する場合もあります。こういったときは、通信教育を利用するバターンが多いです。時間があれば昼間や夜に授業を受けることができる美容専門学校もあります。美容師になりたいと思ったタイミングがベストタイミングなのかもしれません。

美容専門学校に進学する場合は自分に合っているかどうか特色を理解することが大事

美容師を希望する人はとても多いですから、そのニーズに応えるために、たくさんの美容専門学校ができています。学生を取り込むために競争は激化しており、特徴・特色を出して魅力的な美容専門学校にしようという動きが活発化していますし、学費に関してもいろいろです。

もちろん国家試験対策は充実しておりますが、それ以外にも人気のカリキュラムを用意しています。例えば「ネイル」「ブライダル」「エステ」「芸術的なデッサン」「ヘアーショー」などです。一部の美容専門学校は海外研修まであります。

選択肢はとても多いですから、自宅からの通学のしやすさや、学費、将来の夢や希望を満たしてくれる美容専門学校を選びましょう。パンフレット・資料を請求するだけでなくて、実際に現地を見学するようにしましょう。雰囲気やフィーリングが合わないと長続きしません。

美容の世界の仕事は美容師だけではありません。巨視的に見るとファッション関係・エステ関係・美のスペシャリストなどいろいろです。可能性はあらゆる分野に広がっており、進路はその人と希望によって無限大です。

夢を実現する第一歩として美容専門学校を考えるといいでしょう。これを踏み台にしていろいろな人と知り合ってください。コミュニケーションを取りながら、将来の夢・展望・やりたいことが見えてくるに違いありません。

美容師資格は簡単に取れるの?

メイクをしてもらう女性

美容師の仕事をする場合には美容免許が必要です。国家試験になりますが、ちゃんと勉強をして準備しておけば決して難しいレベルのものではありません。しかし、何にも努力しないで合格はしません。美容専門学校で、しっかり学び、真面目に勉強することは、とっても大切です。

美容専門学校を選ぶときには、そのときの年齢・立場・経済的な状況を考えましょう。そして、自分がやりたいことができる学校なのかどうかが大切です。例えば、未来の希望が次のような場合に、それを満足してくれる美容専門学校かどうかです。

  • 海外に行って勉強したい
  • エステティシャンを目指している
  • エンターテイメント関係に仕事を希望する
  • デザインや芸術的なことを勉強したい
  • 美容師としてヘアカットしたり、パーマ・カラーを施術したりする仕事をしたい

一人ひとり夢や希望がありますから、それを叶えてくれる可能性がある美容専門学校を選ばないと後悔します。美容専門学校での勉強や経験は貴重な時間です。素晴らしい思い出にもなるでしょう。多くのことを吸収できる大事な時間です。

美容師になるために学校は国家試験に合格するための教育機関だと割り切っているかもしれません。実際は、卒業してどこで仕事をしてキャリアップしていくかです。接客業はサービス業としての難しさがあります。最初は下仕事や掃除だけしかさせてもらえないかもしれません。華やかさとはほど遠いかもしれませんが、それを乗り越えて色々な技術をもった美容師になれるのです。

何事も楽をして仕事はできません。美容師も例外ではありません。下積み時代はありますが、ここで、先生や先輩の仕事ぶりをしっかりと盗み取りましょう。気になることがあればメモするようにしておくといいでしょう。派手な世界ですが、成功している人達はみなさん厳しい基礎をマスターしています。希望を持って常に向上心・モチベーションを高めましょう。

仕事が終わったあと、自主的に研修をしている店舗もあります。仕事をする店舗を決める場合に、どういったことで自分の指導をしてくれるのかを確認するといいでしょう。教育体制が充実しているところを選ぶとスキルアップしやすいです。

まとめ

目を瞑り横になる女性

美容専門学校についての知っておきたい基礎知識をご紹介しました。ボリュームたっぷりでしたが、最後までお読みいただきありがとうございます。

ひととおりの知識がご理解いただけたでしょう。この記事を参考に自分に向いている美容専門学校を受験して美容師を目指してください。さらに別ページでお役立ち情報を随時提供してまいります。みなさまが素晴らしい美容師になれるようにサポートしてまいりますので、よろしくお願いいたします。